日本馬3頭預かる小林先生の凱旋門賞チェック
日本馬3頭預かる小林先生の凱旋門賞チェック

【怖い欧州3歳勢】地元ヨーロッパ勢についてはどう考えているのか。毎年チャンスと言われながらもまだ勝ったことのない日本馬に、今年もヨーロッパ勢が立ちはだかる可能性は低くないはずだ。

「エクトは相当に強いでしょうね」

 イの一番に名を挙げたのは地元フランスの3歳牡馬だ。故障で約5か月ぶりの競馬となった前走のG2ニエル賞を勝利。同レースは昨年キズナが制した前哨戦で、凱旋門賞と全く同じロンシャン競馬場の2400メートルで行われる。ここを勝利したとなれば当然、本番でも軽視はできない。

「ましてエクトはもともと2歳時からG1を勝って注目されていた馬です。故障して春シーズンを棒に振ったけど休み明けでいきなり勝ってしまうのだから、やはりかなり強いのは間違いないでしょう。使われた後も順調のようだし日本勢にとっては越えなければいけない壁になりそうです」

 また、先に記したように欧州3歳牝馬勢も怖い存在と言う。

「アヴニールセルタンは初の2400メートルが不安視されているけど、ここまで全勝できていることは無視できません。エクトで勝利したG・ブノワ騎手のお手馬で、彼がこちらを選ぶようならより注目しなくてはいけないでしょう」

 タグルーダも同じ3歳牝馬だ。英G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスSを制した若き女王の巻き返しも注意が必要と続ける。

「前走のヨークシャーオークスではよもやの2着。それでもその前まで4戦全勝でキングジョージを勝ったように実力があるのは疑いようがありません。先ほども言ったように軽い斤量で出られるのは有利。一度負けただけで見限るのは怖いでしょう」

 一方、昨年の覇者トレヴに関してはトーンダウンして語る。

「昨年オルフェーヴルをぶっちぎって破った時はどれだけすごい馬かと思いました。でも今年は3戦して未勝利。背中を痛めたりして、本来のデキに戻っていないようです。この状態なら日本馬が先着しておかしくないでしょう」

 日本の“3本の矢”は「ハープスターは到着してすぐに坂路に入れられるほどで、疲れを感じさせない。他の2頭も特にアクシデントもなかったようで、いい雰囲気」と順調。欧州3歳勢との拮抗対決でわずかでも前へ出られるか―――。これが小林調教師の“フェアな”ジャッジだ。

(競馬ライター・平松さとし)

【プロフィル】こばやし・さとし=1974年7月20日、千葉県船橋市生まれ。日本大学理工学部卒業後、北海道での牧場修業を経て2002年に渡仏。08年に日本人として初めてフランスの調教師試験に合格した。現在シャンティイのラモレイ地区に厩舎を構えて活躍中だ。凱旋門賞で2年連続2着したオルフェーヴルをはじめ多数のフランス遠征馬を受け入れ、日本馬の頼もしい“調教基地”としての役割も担っている。また、12年には本紙で「フランス競馬に魅せられて」をロングラン連載した。

 
日本馬3頭預かるだけで
日本で話題ですしね

できれば日本馬で勝利してほしい!!