アンゲネーム|アイビスサマーダッシュ
アンゲネーム|アイビスサマーダッシュ

 【馬じぃの継続は非力なり】久しぶりに、懐かしくもうれしい日本語を聞いた。「これからも大和魂を貫いてまいります」。そう、新大関・豪栄道の昇進伝達式での口上だ。もっとも、このところ横綱、大関の昇進といえばモンゴル力士ばかりだったから、ヤマトダマシイを望むのは無理だったのだが。

 とにかく、近年はやれ「……ジャパン」と軽い横文字ばやりで、選手は「自分たちのプレーをすれば勝てる」などと甘いのが多いが、「日本人の我慢強さや潔さがこの言葉にこもっている」と、豪栄道が説明する3文字を改めて噛みしめてほしい。今年の流行語大賞候補だ。

 さて競馬は新潟、とくれば、名物は日本ではこのコースにしかない直線1000メートル戦で、開幕週の目玉がそのアイビスサマーダッシュ。スプリンターズSが、今年は10月まで続く新潟シリーズの最終日に組まれているので、前哨戦として例年以上に注目される。というような能書きはさておいて、レース名のアイビス(トキの英名)について。

 学名が「ニッポニア ニッポン」、まさに日本を象徴する美しい鳥で、江戸時代は日本国内に広く分布していたが、明治から大正にかけて、肉や羽毛を取るための乱獲で絶滅に追い込まれた。現在は野生絶滅、中国から贈呈や貸与されたトキの協力による人工繁殖の成功で200羽以上の生息まで戻していることは周知のとおり。トキが絶滅したのに、レース名だけ残っているのでは悲しいから、これからもっと増えることを期待したい。

 余談だが、今回新潟にはもう一つ、日本名を冠にしたOP特別「朱鷺ステークス」が月末に組まれている。こちらは距離が1400メートルだが、「直千はダメだったが、コーナーのある内回りなら」と転戦してくる馬がいれば面白い。

 で、アイビスSD、人気は5月の特別戦(韋駄天S)1、2着のセイコーライコウ、フォーエバーマークだろうが、ただ走破タイムがひと息で過信はできない。

 ここは、その特別戦で5着だった(8)アンゲネームを狙う。直千は9戦3勝、3着3回と場数は豊富、持ちタイムは互角、走り続けるしかないせん馬というのもいい。

 札幌のクイーンSは函館で復活してきた(8)アロマティコ。ジェンティルドンナが勝った秋華賞で3着の実績はダテではないはず。

 ■品川達夫(しながわ・たつお) 昭和44(1969)年、夕刊フジ創刊と同時に競馬欄を手掛け、デスク兼記者・予想家として約20年間紙面を汚す。その後、別のジャンルで新聞記者を務めながら競馬は続け、気がつけば「馬じぃ」に。

 
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